takarajima

takarajima2

雑誌掲載記事

もっとラクに、きもちよく、スッキリしたい人のためのTAIKEN REPORT
しつこい腰のシコリに、ヒジ鉄を喰らわす!

二足歩行の人類にとっては宿命的症状ともいえる腰痛。真面目に人間やってるせいか、私も長年これに悩みつづけてきた。極楽治療を受けつつ一人でもできるツボ押しのコツを盗めたらラッキー! なーんて、山盛りの下心を抱え”腰痛持ち”にとかく評判の治療院に突撃した。

スポーツ指圧は押してほぐすWワザ

24年前「女性の健康に貢献できる仕事を」と指圧師の道に入ったという堀内先生だけに、7~8割は女性客という<YOURシアツセンター>。
東京の銀座でスポーツマッサージを中心に開設した治療院は、そのせいもあってか明るく清潔で、開放的な造りと雰囲気になっている。
薄手のTシャツ&スパッツに着替えて治療用ベッドへというときも、気分は治療を受けるというよりスポーツジムでマシンに向かうみたいな軽快なノリ。
「うちの特徴は、腰痛治療であっても触らないのはバストくらいというほど全身をくまなく揉みほぐすことです。それに加えて肩こりなら腕や上半身、腰痛なら下半身全体を丹念に治療します。”気”の流れをよくし、新陳代謝を促進して、人間が本来持っている自然治癒力を高めることが一番大切なんです」

そう話しながら、横たわった私の頭から手のひら、足裏に至るまでを、順次ほぐしていく先生。その揉み方はリズミカルでインパクト十分、なのに痛くないという絶妙の配分だ。なんでこんなトコまで凝っている~と呆れるくらい、押されるどこもかしこもが痛いけれど気持ちいい、いわゆる”イタキモ”の極致。早くも脳内物質出まくり状態の気配だ。
「触ってみればどこが悪いか、すぐわかります」と治療開始前に話していた先生は、喉のリンパに近い、先生が発見したオリジナルのツボ”良眠ポイント”を軽く押しながら「寝不足みたいですね」と、ひと言。ご明察です。

先生の押し方の特徴はもう一つある。ツボや筋肉に垂直圧を加える”指圧”と、筋肉やリンパの表層をほぐす”マッサージ”の二つを組み合わせた”スポーツ指圧”である点。たとえていうなら”押しほぐす”という感覚だ。だから決して力いっぱい押しているわけではないのに、的確にツボにはキキまくる。患者が感じるツボへの”強さ”は、先生に言わせるとツボへの”深さ”で調節しているだけらしい。私に対しても「40%くらいの力しか使ってませんよ」と涼し気にのたまう先生。なのに、どうしてこんなにキッくの~? どうやらツボ押しのコツ、想像以上に深淵みたいだ。

30分ほどかけて全身をほぐした後、いよいよメインイベントの腰に取りかかる。うつ伏せになり、お腹に専用クッションをあてるとそれがスタートの合図。
「ウエストの一番くびれた部分の背中側、腰椎でいうと第二・第三腰椎から外側に6cmほど離れた志室が、腰痛の核ともいえる要のツボです。ここが凝っているために骨盤に近い部分や脚の付け根、腿、さらには膝など、筋力の弱い部分に痛みがでるケースもある。男性の場合は筋肉疲労による腰痛が中心ですが、女性は婦人科系の影響も大きく、人によって症状ので方、痛む箇所もいろいろなんですよ」

私の場合、まさにその志室が卵大のコリの塊になっていて、背筋が背筋として機能していないがために腰痛を引き起こしている、というのが先生のお見立てだ。
と説明が終わるか終わらないかのうちに、くだんの志室を中心とする我が背筋一帯に先生の必殺技”エルボースペシャル”が炸裂し始めた。上は肩甲骨のあたりから下は臀部の手前まで、背筋のツボを片方ずつグイッグイッと先生の肘が押しては揉む。一撃めには痛いのとくすぐったいのと気持ちいいのが混じりあった、一瞬息が詰まるような感覚だったのだが、二撃めからはどんどん”気持ちいい”のシェアが大きくなっていく。とくにコリの頑固な左側は、数分しないうちにアーもーこのまま一生揉まれてたい!ってカンジになってくる。いや、マジに。

両側の背筋に続いてでん部・足を丹念にこちらも片側ずつ揉んでもらい、ヒートマットを使った”湿性温熱療法”で仕上げに入る。組み込まれた鉛の遠赤外線効果に加え、空気中の水分を集めて高湿度の温熱状態を作ることで、指圧で適度にほぐれた体の血液循環をさらに促すという優れマットだ。適度な重さも心地よく、仕事でなければホントこのまま眠りたいくらい。頭上からは「手のひらを上に向け、指先を意識して、体内の悪い”気=邪気”が出て行くイメージを描いてみて」と先生の声が響いてくる。悪いものが体から出ていく—なんだか「グリーンマイル」みたいじゃん。それではと、Mr.コーフィーに奇跡のシーンを思い浮かべていると、あら不思議、先生の言うとおり指先がなんだかピリピリと動く感じ。おまけに温かくもなってきたような。20分前ヒートマットでホカホカ温められた体はうっすら汗ばんできて、指先だけじゃなく汗腺や毛穴からも悪いモンが出ていっているような気もしてくるのであった。

コース設定上は60分、そのじつもっと長くて普通という入念な治療が終わり、ベッドから起き上がると、おや、体が1kgくらい軽くなってやしないかい? 背筋がピンと伸びた分、身長も1cmくらい伸びたみたい。って、まさか。でも、まあ言葉にするとそんな感覚。気がつけば1週間以上前からずっと気になっていた胃の痛みも、どこかへ消えてしまっている。恐るべし堀内先生のハンドパワー。その夜は久々に”爆睡”だったことは言うまでもない。